求肥昆布
香り、味、栄養の三拍子揃った不朽の銘菓
第18回菓子博大臣賞越前敦賀代表銘菓
昆布粉とモチゴメ粉を蒸して練り合わせた口あたりのやわらかい餅菓子です。
厚みがありながらも柔らかく弾力性に富み、なめらかな舌ざわりと舌の先で溶けるような風味が特徴です。
口に入れると、甘みに続いて昆布の香りとわずかな塩味が口の中に広がり、後味はさっぱりしています。
日もちは20日ぐらいですが、かたくなったところをあぶってたべるといちだんと香ばしいとそれをよろこぶ向きもかなり多いです。
福井国体の際には両陛下お買い上げいただいた皇族御用達の伝統菓子でもあります。
材料は、天然の昆布ともち米と砂糖だけ。
そのおかげで、夏になると汗をかきやすく、原料の半分がモチなので冬になると堅くなりやすいので、四季を通じていかにして同じ製品をつくりかに努力しています。もち米の蒸し時間、砂糖と昆布をつき混ぜる時間などで時候にあったものを作っています。
ちなみに、昆布は真夏に採取される海の幸です。沃素に富み、滋養豊富で「よろこぶ」といわれ、祝事に用いられます。
香り、味、栄養の三拍子揃ったお菓子です。
敦賀銘菓『求肥昆布』の歴史
紅屋は寛政5年(1793)創業、初代・田結市兵衛は、松前仕込みの昆布を“かき昆布”に加工、京、大阪にさばいていました(詳しくは「紅屋の歴史」をご覧ください)。その昆布を原料としたお菓子の製法を考案したのは、4代目の豊吉で、明治初期には苦心研究の末、昆布を蒸して粘りを取り、白砂糖をまぶしてつくったのが『求肥昆布』のはじまりです。
5代目の新治郎になってから、さらに研究し、昆布を粉末にし、越中もち米と砂糖を練り合わせ改良しました。6代目の建三は父のつくった『求肥昆布』を紅梅焼きほどの美しい短冊形にし、現代の形になりました。
さらに同家に代々伝わってきた江戸時代の美しい版画図「敦賀風景八つの詠」の8枚の絵図を包装紙に取り込み、菓子皿にも焼きつけるなど、敦賀の歴史と風土を強調したのが評判を呼び、全国銘菓展に数多く入賞してきました。