豆らくがん
口の中で溶けて広がる粗引き大豆の香ばしさが人気の秘密
福和内第21回菓子博総裁賞
愛嬌のあるお多福が微笑みかけ、なんとなく食べるものの心を和ませてくれる、ユニークな形の豆らくがん。
素朴さと風雅さをあわせもち、お茶席での人気も良い商品です。
年間100万個以上を作るにも関わらず、製造工程で機械が導入されたのは包装程度。
型に粉を詰める作業は今も職人の技が生きています。
「詰め方が悪いと乾燥前に形が崩れてしまう。簡単そうに見えるが熟練の技術と勘が必要」(6代目・建三)とのこと。
麦やそば粉のらくがんは全国にありますが、大豆のらくがんは敦賀だけです。
原材料の大豆は地元“福井県産”
原材料の高騰で、外国産の遺伝子組み換え大豆を使用しているメーカーが多い中、紅屋は地元福井県産の大豆を使用しています。
敦賀銘菓『豆らくがん』の歴史
徳川末期のころ一市井人が遊蕩の末に果に江戸吉原でほうかんに身を落としていた時、ふとした機会に浅草で落雁(らくがん)の製法を習い、敦賀に帰郷して其の製造を始めたものだと伝えられています。
「豆」と「お多福」の組合せは、かつての官幣大社気比神宮の節分祭のいわれに因んだものだともいわれ、厄除招福の象徴として「福和内」の別名を以て愛好されてきました。原料は大陸を主産地とする特選大粒の大豆で、大豆特有の芳香と風雅な味覚はお土産品として当時敦賀港の貿易盛んな頃に全国に知れ渡り北陸路の代表的名物となりました。
日本的なものが次第に失われてゆく時代に、ふるさとに伝わるこんな素朴な味をいつまでも残してゆきたいと思い、創業以来かたくなに伝統的な製法を守りつづけ現在に至ります。